2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧
インクリーズ=アレン=ラファムという人の略伝をウィスコンシン大学マディソン校の図書館のサイトで読むことができる。 WER: I. A. Lapham, First scholar of Wisconsin この人は開拓時代のウィスコンシンで活躍した学者だそうだが、父親の名前がセネカ=ラ…
ブライアン=ラムレイのクロウ・サーガは六部作ということになっているが、実のところ第4部と第5部にはタイタス=クロウは出てこず、その間はアンリ=ローラン=ド=マリニーとハンク=シルバーハットの二人が活躍する。つまりクロウ・サーガの主役はクロ…
ダンセイニ卿がダーレスに宛てて書いた1952年3月28日付の手紙がAn H. P. Lovecraft Encyclopediaで引用されている。 ラヴクラフト氏の作品をいくつか読んで、氏は私の流儀で書いていたのだということがわかりました。完全に独創的であり、私からの借…
アンブローズ=ビアスは1914年に革命下のメキシコへと旅立ち、そのまま消息を絶った。今日に至るまで彼の最期は明らかでないが、パンチョ=ビリャの率いる革命軍に身を投じて政府軍に殺されたのではないといわれている。コアウイラ州のシエラ=モハダで…
銀の鍵の門を越えて - そっちはそっちの気晴らし、こっちはこっちの気晴らし この記事の本筋とはあまり関係ないのだが、ウムル=アト=タウィルは本当にヨグ=ソトースの化身なのかという問題がある。もう10年以上も前にクトゥルーMLで指摘されたことだ…
SS少将ワルター=シェレンベルクのニュルンベルク裁判における宣誓供述書を西イングランド大学のサイトで読むことができる。 http://www.ess.uwe.ac.uk/genocide/schellenberg.htm これによると、シェレンベルクの経歴は以下の通り。 1933年6月 SS…
ダーレスに「祖先」(The Ancestor)という短編がある。ラヴクラフトとの「合作」のひとつで、1957年にアーカムハウスから刊行されたThe Survivor and Others を初出とする。現在はThe Watchers Out of Time などの単行本で読むことができる。The Watche…
諸葛孔明の第4次北伐の時、兵站の維持に失敗した李厳が責任を孔明になすりつけようとして失脚したことは三国志演義の第101回に書いてある。李厳伝の蠔註によると、孔明は魏延・訒芝・姜維ら軍幹部と共に連名で上奏文を提出して李厳の不正を糾弾し、彼を…
ロバート=バーロウの回想記*1によると、ラヴクラフトは洗濯をこまめにする人だった。シャツの襟がしわにならないよう上手に干すコツをバーロウはラヴクラフトから教わったそうである。後にバーロウが学生となったとき、その技術は大いに役に立ったという。 …
「ハスターの帰還」についてダーレスから意見を求められたC.A.スミスは1937年4月28日付の手紙*1でたいそう丁寧に助言している。そのくだりを以下に訳出した。 「ハスターの帰還」を二度読んで、たいへん関心を覚えました。これは実に注目すべき作…
ドナルド・ワンドレイの回想によると、彼とラヴクラフトとモートンが連れ立ってアイスクリームを食べに行ったことがあったそうだ。その時、ワンドレイはアイスクリームの大食い競争に付き合わされ、彼自身は7パイント(約3.3リットル)を食べて降参した…
ラヴクラフトが猫を膝の上に乗せたまま身じろぎもせずに一晩を過ごしたという逸話は非常に有名だが、その出典がW=ポール=クックの回想記であることはあまり知られていないように思われる。そこでLovecraft Rememberedに収録されているクックの回想記から…
ローマ時代のアヴェロワーニュを舞台にした小説をC.A.スミスは書こうとしていた。その作品はついに完成せず、構想だけが残っている。 制圧されたばかりのアヴェロニア地方に駐屯しているローマ軍の将校ホラティウスは、失踪した同僚ガルビウスを捜索して…
The Youngest Vampire (Synopsis) by Clark Ashton Smith C.A.スミスが書こうとした吸血鬼の話である。結局は書かれずじまいで、ただ構想だけが残っている。 彼が買った農場には四つの墓があった。ある晩、月明かりに照らされたリンゴ園で彼は12歳くら…