新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

2011-07-01から1ヶ月間の記事一覧

ラヴクラフトへの贈物

ロバート=E=ハワードが1934年5月に書いたラヴクラフト宛の手紙から。 プロヴィデンスにお送りした小包に入っているのは、猛毒のある大型の蜘蛛でして、当地ではサソリモドキと呼ばれています(誤称だろうと思いますが)。僕は標本制作の素人なので、…

ラヴクラフトとロンドン

ロンドンといっても英国の首都ではなく、小説家ジャック=ロンドンのことだ。 ラヴクラフトがロバート=E=ハワードに宛てて書いた1933年1月21日付の手紙から。 私の友人ジェイムズ=F=モートンは――いまはニュージャージー州パターソンの市立博物…

酒を飲む人、飲まない人

ラヴクラフトが酒を飲まなかったというのは有名で、飲酒の害を戒めるために"Old Bugs"なる短編を書いたりしている(参照)。一方ダーレスはどうだったのか。Remembering Derleth によると、彼の好みは以下の通りだったそうだ。 ブランデー・アレクサンダー …

魚の好きな人、嫌いな人

ラヴクラフトが魚介類を嫌っていたというのは有名な話だが、ダーレスはどうだったのか。Remembering Derleth によると、彼はサーモンとシュリンプカクテルが好物だったそうだ。またウィスコンシンは大きな川や湖に恵まれているので、ダーレスも魚釣りをよく…

バイオレット嬢の奇病

イースの大いなる種族といえば精神交換である。これは標的の肉体を一方的に乗っ取る技だが、使う際に危険が伴ったりはしないのだろうか。"The Curious Case of Miss Violet Stone"によると、大いなる種族の精神が宿主の肉体に入りこんだまま出られなくなるこ…

成り上がり一代記

ウムル=アト=タウィルはいまいち正体が定かでないが(参照)、リン=カーターによると彼はヨグ=ソトースの侍従長である。カーターがアブドゥル=アルハザードに仮託して書いた『ネクロノミコン』の第3巻第12章から抜粋してみる。 忘れ去られし悠久の太…

ヨグ=ソトース解縛

リン=カーターがアブドゥル=アルハザードに仮託して書いた『ネクロノミコン』第1巻第9章より。 ひげを生やした族長の口から私がついに聞き出したのは、その部族が無名のものどもと呼ばれている理由、そして彼らが祖国から放逐された理由であった。なぜな…

命尽きる時

7月4日はダーレスの命日だ。 ダーレスが1971年に亡くなったときの様子はドロシー=M=グローブ=リタースキーやピーター=ルーバーの文章に詳しい。亡くなる前の晩、ダーレスは親しい友人たちに次々と電話をかけ、挨拶をして回ったという。7月4日の…

猫の騎士道精神

マグヌス=オスターベルク伯爵という名の猫がラヴクラフトの家の近所にいた。この猫が喧嘩をしているところを見たラヴクラフトは、仰向けにひっくり返った相手を攻撃せずに待ってやる態度がとても紳士的だとロバート=E=ハワードに語っている。1933年…

授賞式の代役

とある文学賞がダーレスに贈られることになったが、ダーレスは授賞式に出席するのを面倒くさがり、代わりにロバート=ブロックを行かせたという。ブロックは感謝のスピーチを行い、授賞式の様子を録音したテープを後でダーレスに送った。ピーター=ルーバー…