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シェレンベルクの謎

 SS少将ワルター=シェレンベルクのニュルンベルク裁判における宣誓供述書を西イングランド大学のサイトで読むことができる。
http://www.ess.uwe.ac.uk/genocide/schellenberg.htm
 これによると、シェレンベルクの経歴は以下の通り。

1933年6月 SSに入隊。
1934年   SS曹長に昇進。フランクフルトで勤務。
1936年   ベルリンに転勤し、SD本部に勤務。
        司法試験を受けるため一時的に除隊。
1939年8月 ゲシュタポに移籍し、少佐に昇進。
1941年6月 帝国保安本部第6局に移籍し、中佐に昇進。
1942年7月 大佐に昇進し、第6局の局長に就任。
1943年1月 准将に昇進。
1944年6月 少将に昇進。

 シェレンベルクは1939年11月にオランダのフェンローで英国の情報部員2名を拉致しているが、そのとき少佐だったということになる。しかしハインツ=ヘーネの『髑髏の結社』によると、彼はフェンロ拉致事件の時すでに准将だったそうであり、シェレンベルク自身の証言との食い違いが見られる。
 ではヘーネの記述が間違っているということなのか? 単純にそうとは言い切れないような気がしている。

髑髏の結社・SSの歴史〈上〉 (講談社学術文庫)

髑髏の結社・SSの歴史〈上〉 (講談社学術文庫)

髑髏の結社・SSの歴史〈下〉 (講談社学術文庫)

髑髏の結社・SSの歴史〈下〉 (講談社学術文庫)