新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

2012-04-01から1ヶ月間の記事一覧

ゴル=ゴロス余話

バル=サゴスの神々 - 凡々ブログ "The Gods of Bal-Sagoth"に登場する邪神ゴル=ゴロスとクトゥルー神話大系の関わりについて論じる記事をロバート=プライスが書いている。"Gol-Goroth, A Forgotten Old One"という題名で、初出はCrypt of Cthulhu の第3…

バル=サゴスの神々

闇の男 - 凡々ブログ ゴル=ゴロスを紹介するための前振りとして"The Dark Man"の話を始めたら、その前振りがえらく長くなってしまった。そこで独立した記事にしたわけだが、今度こそゴル=ゴロスの話をする。 "The Gods of Bal-Sagoth"は"The Dark Man"の続…

闇の男

ロバート=E=ハワードに"The Dark Man"という短編がある。ゴル=ゴロスが登場する作品として有名な"The Gods of Bal-Sagoth"(未訳)の前日談であり、また「大地の妖蛆」とも関連しているため、クトゥルー神話大系の一部といえるだろう。ウィアードテイル…

恐怖名作百選

スティーヴン=ジョーンズといえば『インスマス年代記』の編者だが、彼は商業・非商業・アンソロジーの三部門で世界幻想文学大賞を受賞したという斯界の大物である。そのジョーンズがキム=ニューマンと組んで編集したのがHorror: The 100 Best Books だ。こ…

ラヴクラフトとポップカルチャー

http://jordankrall.wordpress.com/2011/09/18/edward-lee-interview-2-killer-con-mr-james-and-lovecraft/ 米国の作家エドワード=リーへのインタビュー記事。「クトゥルーがポップカルチャーに取りこまれたことについて、どう思いますか? クトゥルー神話…

黄金髑髏の呪い

ロバート=E=ハワードに"The Curse of the Golen Skull"という短編がある。ヴァルーシアの大王カルのシリーズに属する短編で、カルが王に即位する前の出来事を扱っている。ハワードの死後何十年も埋もれていた作品だが、現在はThe Best of Robert E. Howar…

ナイ神父

後藤寿庵先生(id:juangotoh)が曰く――ニャルラトホテップ、ビヤーキー、クトゥルフは主流になりつつあるなあ。ナイアーラトテップ、バイアクヘー、クトゥルー派なんだけど…そういやニャルラトホテップ派は「ナイ神父」を「にゃー神父」とか言うのか?— 後藤…

書き直したり、書き直さなかったり

ホフマン=プライスがBook of the Dead で次のような逸話を紹介している――ダーレスがウィアードテイルズに送った作品を編集長のファーンズワース=ライトが突っ返した。するとダーレスは原稿をしばらく寝かせておき、まったく同じものを何食わぬ顔で提出して…

SFスキャナー・ダークリー

翻訳家の中村融先生がブログを開設なさった。 SFスキャナー・ダークリー ごあいさつ 英米のSFや怪奇幻想文学に興味のある人にとっては必読だろう。

奈落に棲むもの

ヴルトゥームはC.A.スミスが創造した神であり、エイヘアすなわち火星の地下に住んでいる。リン=カーターがフリードリヒ=フォン=ユンツトに仮託して作った設定によればヨグ=ソトースの第三子であり、クトゥルーとハスターの弟に当たるそうだ。 カータ…

アッシュールバニパルの焔

「アッシュールバニパルの焔」といえば、「黒の碑」と並んでロバート=E=ハワードの代表的なクトゥルー神話作品だが、いま広く読まれているのは書き直されたものだ。本来の物語はTales of the Lovecraft Mythos やEl Borak and Other Desert Adventures に…