新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

ラヴクラフトとポップカルチャー

http://jordankrall.wordpress.com/2011/09/18/edward-lee-interview-2-killer-con-mr-james-and-lovecraft/
 米国の作家エドワード=リーへのインタビュー記事。「クトゥルーポップカルチャーに取りこまれたことについて、どう思いますか? クトゥルー神話という商品を享受しながら、ラヴクラフトの本は一冊も読んだことがないという人が大勢いますね。良いことなのでしょうか、悪いことなのでしょうか?」という質問に対して、リーは次のように答えている。

もちろん理想型ではありませんが、それでも良いことです。いかなる形であろうとも御大の業績が不朽のものになるのは良いことです。僕の世代の作家はほぼ全員がラヴクラフトの影響を認めています。すべての道は遡ればラヴクラフトに至るのです。ラヴクラフトなど読んだこともないので彼の影響は受けていないと若手の作家が主張していると、笑わずにはいられません。彼らはわかっていませんが、彼らに影響を及ぼした作家たちはラヴクラフトから影響を受けているのです。ラヴクラフトから影響を受けていないホラー作家というのは、アイザック=スターンから影響を受けていないバイオリン奏者や、ミケランジェロから影響を受けていない彫刻家のようなものです。自分の分野でもっとも完璧に近づいたものから影響を受けないというのは不可能なことです。

 エドワード=リーは1957年生まれ。彼の作品で邦訳されているものとしては、アル=サラントニオ編『999 聖金曜日』に収録されている「ICU」がある。

999(ナイン・ナイン・ナイン)―聖金曜日 (創元推理文庫)

999(ナイン・ナイン・ナイン)―聖金曜日 (創元推理文庫)