新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

事実は小説よりも奇なり

 W=ポール=クックがジェイムズ=F=モートンから聞いたという話。
 モートンが館長を務めるパターソン博物館は彼の尽力のおかげで鉱物標本の展示が非常に充実していたが、まだ欠けている標本があった。とある鉱物は米国東部でしか産出しなかったが、モートンが伝手を辿って手に入れようとしていたところ、プロヴィデンス採石場で見つかることがわかった。その採石場の一区画を偶然にもラヴクラフトが所有していた。こうして集まった鉱物はしばらくラヴクラフトの部屋の片隅に置かれていたが、やがてモートンが来てパターソンに持ち帰ったという。
 ラヴクラフトが親友の博物館に貢献したという話である。こんなに都合がよすぎては小説の題材にもならないだろう――とモートンはクックに語ったということだ。