わたしの、最高の友達
末期癌で苦しんでいるロバート=ブロックにフォレスト=J=アッカーマンがつきまとって「人生最後のサイン」をねだり、ブロックの臨終をますます無残なものにしたという(参照)。アッカーマンの野郎は許せないとハーラン=エリスンが憤っているが、ブロックとエリスンは一体どのような関係なのだろうか。1990年3月23日、とあるラジオ番組でブロック自身が語っている。その言葉を書き起こしたものがThe Lost Bloch: Hell on Earth に収録されているので、一部を訳出してみた。
初めて会った頃のエリスンがどんな感じだったかですって? いまと同じですよ。これからも同じでいてほしいですね。彼と知り合えたのは、とても幸せなことでした。僕とエリスンは一度も喧嘩をしたことがないんです。彼はね――僕はすごく感謝してるんですけど――頼りになるやつです。何度も、何度も僕のことを支えてくれました。いつだって彼が助けに来てくれたんです。それから僕たちは趣味や好みも似ていますよ。二人ともオリンピアのタイプライタを使っていますし、ガーシュインのヘ調の協奏曲がお気に入りですし……。
自分にとってはエリスンこそが最高の友達なのだというブロック。彼とエリスンが出会ったのは1950年代の初めなので、二人は40年以上に及ぶつきあいだったということになる。ところで、自分が作家になったのはC.A.スミスに憧れたからだとエリスンはHorror: The 100 Best Books で述べている。ブロックとエリスンが巡り会う遠因を作ったのがスミスだったかと思うと、ちょっと不思議な気分だ。
- 作者:Jones, Stephen,Newman, Kim,Jones, Stephen
- 発売日: 1998/06/01
- メディア: ペーパーバック