スミスと八雲
C.A.スミスがロバート=バーロウに宛てて書いた1937年5月16日付の手紙より。*1
もしもHPLが然るべく世間から認められて報酬を受け取り、その容態ゆえに必須のものとなっていたに違いない滋養ある食物をとることができていれば、彼はずっと長生きできたかもしれません。HPLの死について思うとき、そのことが何よりも僕の心を痛めます。君が示唆したように、米国は最高の芸術家を死に追いやる国なのです。死なせないときは、ビアスやハーンのように流謫の身にしてしまいます。
ハーンというのはラフカディオ=ハーンすなわち小泉八雲のことである。スミスは小泉八雲の著作を愛読しており、ドナルド=ワンドレイやヴァージル=フィンレイら友人たちにも読むよう勧めていた。