新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

クトゥルーの女体化

 Acolytes of Cthulhu はちょっと変わったクトゥルー神話小説を集めたアンソロジーだが、そこに収録されている中でもデイヴィッド=H=ケラーの掌編「最終戦争」(The Final War)は際物である。絶世の美女の姿をしたクトゥルーが地球を侵略するが、夢見人トンプソンと科学者ジェンキンスが開発した決戦兵器「神の手」に打ち負かされるという話なのだ。発表されたのは1949年で、おそらくクトゥルーの女体化というネタが使用された最古の例だろう。
 作者のケラーはペンシルヴェニア大学卒の医学博士で陸軍軍医中佐。専攻は神経病理学で、戦争神経症の研究において先駆的な業績を上げた。オーガスト=ダーレスに大金を提供してアーカムハウスの経営を陰から支えた人物でもある。彼の短編集『アンダーウッドの怪』が国書刊行会から出版されている。

Acolytes of Cthulhu

Acolytes of Cthulhu