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主にクトゥルー神話のことなど。

ダーレスの娘が死去

アーカムハウスからクリスマスカードが来たのでアップするなり。(右下にあるのがApril Derlethたんのサインだ!ハアハア)

2003-12-25 - プヒプヒ日記

 ダーレスの娘からのグリーティングカードとは羨ましい。アーカムハウスの本はいくらか持っているが、そうと知っていたら直接アーカムハウスに注文したのに。
 そのエイプリル=ダーレスが先月の21日に亡くなったという。享年56。自然死であると報じられているだけで、病名は定かでない。高血圧に悩まされていたそうだが、父親と同じように心臓発作を起こしたのだろうか。
http://www.wiscnews.com/saukprairieeagle/news/local/article_7220132e-595f-11e0-9d96-001cc4c03286.html
http://www.wiscnews.com/news/local/article_2a9f1422-5ad7-11e0-b16e-001cc4c03286.html
 エイプリル=ダーレスの人となりが垣間見えて興味深い記事だ。いくらか引用してみる。

遺族は弟のウォールデン、子供のデーモン=ダーレスとダニエル=ジェイコブズ、叔母のヒルドレッド=アンダーソン、母親のサンドラ=カイザー。

 彼女に子供がいたとは初耳だった。そして叔母のヒルドレッド=アンダーソンというのはオーガストの妹である。陸軍大佐の奥さんという話だったが、まだ存命とは驚きだ。

1977年にウィスコンシン大学マディソン校の英文学科で学士号を取得した。

 父親と同じく名門マディソンの卒業生だったそうだ。姉は僕より頭がいいから、父は僕より姉を気に入っていると感じたものだとはウォールデンの弁である。

自然愛好家そして人道主義者として地元では有名だった。

 この辺は父親の影響が顕著だ。

ミューラー=スポーツメディシンの副社長だったが、1990年代にその職を辞してアーカムハウスの経営に専念した。

 ミューラー=スポーツメディシンというのはこの会社だ。従業員は235人、年商は100億円とあるが、ここで彼女は実業家としての経験を積んだということか。

旅行が好きで、毎年夏には母親とハワイを訪れていた。

 ほとんどウィスコンシンを離れようとしなかった父親よりは遠出していたようだ。オーガストとサンドラは離婚しているが、エイプリルとサンドラの関係も良好だったのだろう。

犬が大好きだった。

 自分がダーレス邸を訪問したとき、2頭の大型犬が出迎えてくれたとリン=カーターは回想している。*1

アーカムハウスの収益の80%近くがラヴクラフトの本によるものだと2008年のインタビューで語ったことがある。

 今日ラヴクラフトの本はあちこちの出版社から刊行されているが、やはりアーカムハウスのブランド力は絶大らしい。

サンドラ=カイザーによると、エイプリルはきわめて力強い人間だった。父親と同じように「彼女が部屋に入ってきた途端その存在に気づかされるのです」とカイザーは語った。

 お父さんを愛する思いがあまりにも強すぎたため、ラヴクラフティアンからは鼻白まれることもある人だったが、父親譲りの女傑であったことは間違いない。謹んで冥福を祈る。そして、気になるアーカムハウスの今後だが――

ウォールデンによると、エイプリルの子のデーモン=ダーレスとダニエル=ジェイコブズは二人とも成人しており、彼女が持っていたアーカムハウスの株式の大部分を継ぐことになるという。

「目下アーカムハウスの業務はすべて停止していますが、相続の手続きが済めば再開することになるでしょう」とウォールデンは述べた。

 アーカムハウスは滅びぬ!