新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

ラヴクラフトとロンドン

 ロンドンといっても英国の首都ではなく、小説家ジャック=ロンドンのことだ。
 ラヴクラフトがロバート=E=ハワードに宛てて書いた1933年1月21日付の手紙から。

私の友人ジェイムズ=F=モートンは――いまはニュージャージー州パターソンの市立博物館で館長をしていますが――30年前にサンフランシスコでジャック=ロンドンと知り合いでした。当時、二人とも社会主義に関心があったので意気投合したのです(現在モートン社会主義と縁を切っています)。ロンドンの本にはモートンが登場するんですよ――『ジャック=ロンドン自伝的物語』です――名前は少し変えて「ノートン」になっています。その頃のモートンは手許不如意だったので、ロンドンがずいぶん援助してあげたそうです。モートンが東部に帰ったとき、ロンドンの古着を着ていることをとても自慢していました――ぼろぼろに破けてしまうまで大事にしていたそうです!

 つまりラヴクラフトの友達の友達がロンドンというわけである。思いのほか世の中は狭いようだ。