酒は飲め飲め
ラヴクラフトと愉快な仲間たちの、お酒にまつわる話。
ラヴクラフト
御存じの通り禁酒主義者。アルフレッド=ガルピンに対して飲酒の害を戒めるため、"Old Bugs"という小説を書いたことがあるほどだ。ただし晩年は態度を軟化させ、本人は相変わらず一滴も酒を口にしようとしなかったものの、禁酒法のことは批判するようになったという。
そんなラヴクラフトも一生に一度だけ酒を飲んだことがあるとサミュエル=ラヴマンが"Lovecraft as a Conversationalist"で述べている。皆で大晦日に集まったとき、ラヴクラフトはジンジャーエールを飲んでいたのだが、ラヴマンの同居人だったパトリック=マグラスがその中にこっそり酒を混ぜた。ラヴクラフトはいつもより陽気になっていたが、自分が飲んでいるのがカクテルだとは最後まで気づかなかったそうだ。もっとも、酔っ払うほどアルコールが入っていたら匂いで気づきそうなものだし、これは作り話ではないのかとS.T.ヨシは疑念を呈している。
ダーレス
アレクサンダーやB&Bなど甘口のカクテルを好んだとRemembering Derleth にある。またクリームシェリーも好物だったという。ダーレスが亡くなる2週間前にソークシティの料理店で彼と会食したリン=カーターによると、その時はブランデーコーヒーを飲んでいたそうだ(参照)。
C.A.スミス
最強の酒豪。スミスと一緒にデメラララムを飲んだときのことをホフマン=プライスが回想している。皆が水やコーヒーで割る中、スミスは独りストレートで痛飲し、いくら酒杯を重ねても少しも乱れなかったという(参照)。