新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

アフリカ死霊戦線

 ラヴクラフトがダーレスに宛てて書いた1935年10月6日付の手紙より。

ライトが"Death Holds the Post"を採用しますように。ウィアードテイルズは確かに落ち目です――9月号と来たら「ヴルトゥーム」以外はろくな作品がありませんでした。

 "Death Holds the Post"というのはダーレスとマーク=スコラーの合作で、仏領アルジェリアが舞台になっている。ドイツ軍が研究していた蘇生薬を完成させた学者が世界を征服しようとし、アンデッドの軍団に制圧された基地に独り潜入した通信兵が死闘を繰り広げるという話だ。この作品は受理され、ウィアードテイルズの1936年8-9月号に載った。
 ところで「ヴルトゥーム」というのは火星を舞台にしたC.A.スミスの短編だが、ウィアードテイルズの1935年9月号にはロバート=ブロックの「星から訪れたもの」も掲載されていたはずである。ろくな作品じゃないって、それがラヴクラフトの本音か。