遠大なる志 - 新・凡々ブログ

　ラヴクラフトの作品を単行本にして出版することをダーレスはいつ頃から考えていたのだろうか。彼は１９３３年８月１４日付のラヴクラフト宛書簡で次のように語っている。

出版社に原稿を送られたとのこと、全力で応援させていただきます。我々一門の誰かが充分な名望を勝ち取り、あなたの作品集を市場に送りこめるようになる日もいつかは来るでしょう。ラヴクラフトさんは御自分の本を出すための活動をしておられない。それは私がやることになるのではないかと思います。

　当時ダーレスは２４歳だった。自分自身の単行本もまだなのに、ずいぶん大口を叩いたものだ。だが、それを実現させるあたりが英雄の英雄たる所以なのだろう。