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主にクトゥルー神話のことなど。

ラヴクラフトとフーディーニ

 岡和田晃さん(id:Thorn)のTwitterから。

 ラヴクラフトが貧乏だったのは確かなのだが、彼が新婚旅行の最中に「ファラオと共に幽閉されて」をタイプライタで清書していたのはそのせいではない。すでに完成していた清書稿をプロヴィデンスの駅で紛失してしまい、大急ぎでやり直す必要があったからだ。
 「ファラオと共に幽閉されて」はラヴクラフトが奇術師ハリー=フーディーニのために代作した短編だが、彼はそれ以外にもエッセイをフーディーニ名義で執筆している。またThe Cancer of Superstition という本のゴーストライティングをフーディーニはラヴクラフトとC.M.エディー=ジュニアに依頼しようとしていた。1926年のことで、心霊主義のまやかしを暴く内容の本になる予定だったという。フーディーニが同年の10月31日に急死したので計画は立ち消えになったが、オカルト批判の仕事をラヴクラフトに頼んだフーディーニは見る眼があったといっていいだろう(参照)。