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主にクトゥルー神話のことなど。

円柱都市アイレム

 An H. P. Lovecraft Encyclopedia によると、ラヴクラフトアイレムのことをブリタニカ大百科で知ったらしい。

「無名都市」がもっぱら夢から着想を得た作品であることをHPLは認めている。そして彼がその夢を見るきっかけとなったのは、ダンセイニの「驚異の書」にある暗示的な言葉「音ひとつない奈落の闇」(「三人の文士に降りかかった有り得べき冒険」の最後の一文)だった。より具体的な源泉となったのは、HPLが持っていたブリタニカ大百科第9版の「アラビア」の項だった。この項目の一部、なかんずく「円柱都市アイレム……アードの最後の暴君シャッダードがハドラマウト地方に建設したとされている。アラブ人の伝説によると、その住人が滅んだ後もアイレムは完全な形で残り、常人の眼には見えないが、幸運な旅人によって稀に目撃されることがあるという」という記述をHPLは備忘録に書き写している。

 第9版ではなく第10版だが、ブリタニカ大百科の「アラビア」の項はネット上で無償公開されている。
Arabia - History. Pre-Islamic Arabia, to the 7th Century AD.
 なるほど、アイレムへの言及が確かにある。

An H. P. Lovecraft Encyclopedia

An H. P. Lovecraft Encyclopedia