新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

中国に日本を負かしてほしい

 ロバート=E=ハワードがラヴクラフトに宛てて書いた1932年3月2日付の手紙より。上海事変への言及がある。

さて、上海では砲声が轟いている最中ですが、中国人は予想外の善戦を続けています。中国がんばれ。僕は中国に日本を打ち負かしてほしいのです。もっとも、仮に中国が勝てたとしても、中国における列強の支配が終わりを告げる望みは薄いでしょう。薄いけれども、望みはあります。日本に勝てば中国人は間違いなく奮い立ち、今よりも遙かに敢然と民族自決を主張するようになるかもしれません。中国には強力な中央政府や適切な装備などがありませんし、練度の低い軍隊がばらばらの軍閥に率いられている有様ですから、勝てる可能性は非常に低いように思われます。しかし先のことはわかりません。旧プロイセン陸軍出身の傭兵が中国軍にはたくさん加わっていると僕は確かな筋から聞いています。

 ハワードは中国に肩入れしていたようだが、まあ致し方ない。ラヴクラフトもハワードも中華人民共和国の成立を見届けずに世を去ったが、彼らが今日の中国を見たら何というか気になるところだ。