新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

きっと50年後も

 C.A.スミスがラヴクラフトに宛てて書いた1933年3月1日付の手紙から。

ライトに「魔女の家の夢」を使わせてやることにしたそうで、何よりです。あの作品が印刷されるのを、とても楽しみにしています。あなたがさらに100編ばかり書いてくれますように。パトナムのように時流に棹さす白蟻どもにけなされたからといって、あなたが意気消沈する必要など微塵もないと思います(訳註 ――ラヴクラフトの作品をパトナム社から出す計画が頓挫したことを指しているものと思われる)。個人的には(僕の自信と申しますか、うぬぼれはそんなものです)1000回ボツにされようとも、自分の最高傑作が一流であると考えるのを止めたりはしません。現時点での判定など、5万回のうち4万9999回はほぼ完全に無意味でしょう。今日の手紙でダーレスにいったのですが、今ありがたがられているものも50年後には無名になっているはずです。でも、あなたとあなたの作品は忘れ去られていないだろうと敢えて申し上げることにします。もしかしたら大勢に読まれることはないかもしれませんが、一部の忠実な支持者たちはきっと読んでくれることでしょう。

 へこみがちなラヴクラフトを激励するスミス。熱い言葉だ。