先日の記事で言及した"Documents in the Case of Elizabeth Akeley"の話である。これはリチャード=A=ルポフが1982年に発表した短編で、ラヴクラフトの「闇に囁くもの」の後日談になっている。1979年、ミ=ゴと一緒に宇宙を旅していたヘンリー=エイクリーが地球に帰ってくるという話で、エリザベス=エイクリーはヘンリーの曾孫という設定だ。曾祖父と名乗る存在と接触したエリザベスは恋人のマーク=ファインマンや政府の捜査官ヴァーノン=ホワイトサイドと共に真相を探ろうとする……。
"The Discovery of the Ghooric Zone"と同様、"Documents in the Case of Elizabeth Akeley"でもユゴスは冥王星の彼方の巨大惑星ということになっている。ソーグ・ソーク・ニトン・ツァーマンという四つの衛星を伴っているそうだ。エイクリーは旅の最中にアルデバラン人の恋人を作ったそうで、かなり幸せそうである。
物語の結末でエリザベスとマークは金属円筒の中に収まり、星の世界へと旅立つ。脳を取り出されて地上に残った二人の体にはヘンリーとアルデバラン人の恋人が入り、マークとエリザベスになりすます。そして彼らがどうなったかというと、実はまだサンディエゴで普通に暮らしているのです。
へんてこな神話作品ばかり書いているルポフらしい話である。ルポフはユゴスに思い入れがあるらしく、Cthulhu's Reign に収録されている"Nothing Personal"でもユゴスを扱っている。
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