新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

ナチス落人伝説

 ロバート=ブロックはハーラン=エリスンと仲がよかった(参照)。1969年、ブラジルのリオデジャネイロで開催された映画祭に二人が連れ立って出かけたときの話である。
 映画祭の会場となった建物は暑かった。ブロックとエリスンが窓辺で涼んでいると、塀に囲まれた屋敷が見えたという。ドイツ軍の制服を着た男が塀の前で大股に闊歩し、敷地内には鉤十字の旗が翻っていた。
ブロック「見える?」
エリスン「お、おう……」
 鉤十字の屋敷で見た男が何者だったにせよ、彼にはお仲間がいたに違いないとブロックは語っている。なぜなら彼がブラジルで山登りをしたところ、途中でたまたま入ったハンバーガー屋の店員がすべてドイツ系であり、彼らの一挙手一投足が軍隊風だったから――というのだが、ナチス風のハンバーガー屋とは想像するだに凄いものがある。