新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

なぜ妖精は縮んだのか

 かつて妖精は人間と同じくらいの大きさだったが、現在ではきわめて小柄な生き物と見なされている。そうなった経緯をダニエル=ハームズが考察している。
Why Did the Fairies Shrink? | Papers Falling from an Attic Window
 シェイクスピアの「ロミオとジュリエット」第1幕第4場でマキューシオが「妖精の女王マブの姿は町役人の指輪の瑪瑙よりも小さい」と歌うが、妖精が小さくなったのはこれがきっかけだという説が有力だそうだ。一方、小さな妖精に初めて言及したのはティルベリのゲルウァシウスの『皇帝の閑暇』だとキャサリン=ブリッグズは指摘している。だが、パラケルススの『妖精の書』を源泉とする新たな見解をハームズ氏は提示した。『妖精の書』で述べられた説にシェイクスピアが親炙していたことが「マクベス」から読み取れるのだという。興味深い話である。