新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

ワニに会ったラヴクラフト

 ラヴクラフトが1934年6月の上旬に書いたダーレス宛の手紙より。

先日シルバースプリングスに行ったのですが、実に壮観でしたよ。シルバー川の源には静かな湖があり、その底は巨大な淵になっています――ガラス底のボートを通して、はっきりと見ることができました――シルバー川そのものはコンゴ川アマゾン川のように典型的な密林の河川で、ターザンの映画のロケ地になったこともあります。私は汽艇に乗って川を5マイルほど往来し、そこに住んでいるアリゲーターなどの動物を見物しました。君もいつかはフロリダに来てみるべきですよ。バーロウもよろしくと言っています。

 当時、ラヴクラフトはフロリダのバーロウ家に滞在中だった。野生のワニを見たという話をしているが、君も来るべきだとダーレスに勧めるあたり、よほどフロリダが気に入ったものと見える。なお英語版ウィキペディアでシルバー川の写真を見ることができるのだが、なるほど密林の風景である。
en.wikipedia.org
 一方ウィスコンシン州は未曾有の熱波に見舞われている最中で、ダーレスは夏ばて気味だった。こんなに暑くても平気でいられるのはラヴクラフトさんくらいでしょうとぼやくダーレス。それに対して「暑ければ暑いほど私は元気になるようです」とラヴクラフトは返事をしている。