フレデリック=J=メイヤーの詩から引用する。
溌剌たる乙女は誘う
KuMiHo - Zhar Liturgy #4 by Frederick J. Mayer
紅玉髄の屠場には人の心臓
魂と肉体と 指は苦痛の如く疾く
暁は静謐に 骸は虚ろに
噴き出るは紅 土に塗れて真珠の如く
人化の術は成就せり
「ツァール祈祷式文第四」と題名がついているが、これは九尾の狐が100人の人間を食い殺せば人間になれるという韓国の伝承に基づいた作品だ。クトゥルー神話に九尾の狐が出てくるのは初めて見た。
この詩は『破解翡翠書』なる韓国語の書物からの翻訳という体裁をとっているのだが、チョ=チョ族が朝鮮半島まで来ていたことを匂わせているのも興味深い。なおチョ=チョ族の悪名は中国の河南省まで伝わっていたとダーレス&スコラーの「潜伏するもの」に書いてあるが、彼らは河南と湖南を混同していたのではないかという気もする。
- 作者: H.P.ラヴクラフト,大滝啓裕
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