ラヴクラフトは唯物論者であり、合理主義者であったが、彼を超常現象や心霊現象と結びつけようとする人もいる。以下に紹介するのはミュリエル=エディによる回想で、ジャック=モフィットという人が1956年に書いた記事で取り上げられたものだそうだ。
http://miskatonicbooks.wordpress.com/2012/08/26/lovecraft-and-muriel-eddys-heart-of-polished-stone/
もし自分の精神が死後も存在しているのであれば、何らかの方法で連絡するとラヴクラフトがいうのをエディ夫人は聞いたことがあるそうだ。ラヴクラフトの死から7カ月後、プロヴィデンスのスワンポイント墓地にある彼の墓がエディ夫人の夢に出てきた。墓地に駆けつけた彼女がラヴクラフトの墓の周辺を探し回ったところ、小さなハート型の石が草むらの中から見つかった。それは半透明の白い石で、表面はきれいに磨き上げられており、墓地に転がっている他の石とは明らかに異なっていた。ラヴクラフトが約束を果たしたということなのだろうかとエディ夫人は思ったそうだ……。
ミュリエル=エディは、ラヴクラフトと「最愛の死者」などを合作したC.M.エディの奥さん。ヘイゼル=ヒールドがラヴクラフトと結婚すれば、きっと幸せな家庭が築けたに違いないなどと彼女の回想記には書いてある。ハート型の石の話も多分に誇張や脚色がありそうだが、ラヴクラフトがエディ夫妻から慕われていたことは間違いないだろう。
- 作者: H.P.ラヴクラフト,Howard Phillips Lovecraft,大瀧啓裕
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2007/09/28
- メディア: 文庫
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