ジェイムズ=ウェイドに"Those Who Wait"というクトゥルー神話短編がある。異界へと通じる門を開いて旧支配者を復活させようという企てを阻止するべく、ミスカトニック大学のアーリン=スターンズ教授と学生たちが戦う話だ。だが教授たちの奮闘も虚しく、とうとう門が開いてしまう。万策尽きたかと思われたとき、教授が連れてきた謎の人物が巨大な光の柱に変身し、夜空に飛び立っていった。その人物の正体は旧神だったのだ。
『萌え萌えクトゥルー神話事典』では邪神と戦う旧神に光の戦士を重ね、下の画像のようにデザインしています。しかもスペシウム光線ポーズまでして!
クトゥルフ神話とウルトラマンが出会った交差点 - クトゥルー/クトゥルフ神話作品発掘記
旧神からウルトラマンを連想する向きは多いようだが、人間から光の戦士に変身する場面はダーレスの作品にも出てこない。その点ウェイドは徹底しているといえるだろう。では"Those Who Wait"は円谷プロから影響を受けているのかというと、実は1940年代に書かれた作品だそうだ。ロバート=プライスが編集したThe New Lovecraft Circle というアンソロジーで読むことができる。
S.T.ヨシによると、ウェイドの本職は作曲家。韓国に住んでいたそうだ。彼の作品で邦訳されたものとしては「深きものども」があり、これは青心社文庫の『クトゥルー13』に収録されている。
The New Lovecraft Circle: Stories
- 作者: Robert M. Price,Ramsey Campbell,Thomas Ligotti,Lin Carter,Brian Lumley
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- 作者: オーガストダーレス,大滝啓裕,August Derleth
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