二十四帝
蒼髯老賊! 汝即日將歸於九泉之下、何面目見二十四帝乎!
(老いぼれの国賊め! 貴様が今日あの世へ行くとして、二十四帝に合わせる顔があるのか!)
孔明に罵られた王朗は良心の呵責に耐えかねて頓死するのだが、ここでいう「二十四帝」とは誰のことなのか。とりあえず漢の歴代皇帝を指していることは確かだ。三国志平話に「上至高祖、下至獻帝二十四帝」とあり、演義もこれを引き継いで二十四帝といっているのだろうと思う。*1しかし少帝と廃帝を除外すると前漢は高祖から平帝まで11人、後漢は光武帝から献帝まで12人で、合わせても23人にしかならない。24人目は誰か。『正説漢朝二十四帝』なる本によると、孺子嬰を含めて24人と数えるらしい。*2
ここで別の疑問が生じる。孔明は二十四帝という言葉を使ったが、昭烈帝を足した二十五帝にはしなかったのだ。劉備が帝号を称したのはあくまでも仮初のものという認識だったのだろうか。