白雪姫よ、静かに眠れ

　お値段はちと張りますが、河出書房新社からライバーの短編集が。

　元祖『綿の国星』ともいえる（ちょっと嘘）「ガミッチ」シリーズは全編（既訳は４作だっけ？）収録されるのでしょうか。

　他のラインナップも気になりますが、ヒューゴー・ウィナーの『骨のダイスを転がそう』とか『あの飛行船をつかまえろ』とかは？

来年は赤ゴジラ - 泡沫の日々＠はてな

　"Lie Still, Snow White"は収録されないのだろうか？　いや、されるはずがない。
　"Lie Still, Snow White"というのはフリッツ＝ライバーが１９６４年に発表した短編である。真夜中、主人公のアーチーがヴィヴィアンの寝室に忍び込んでくる。アーチーはヴィヴィアンに話しかけるが、彼女が眼を覚ますことはない。なぜならアーチーが睡眠薬と偽って与えた青酸化合物入りのカプセルを飲んだのだから。「僕が１３の時、ふたつ年上の姉さんが死んでね」とアーチーは語りはじめるが、それは彼の屍姦体験の話だった……。
　というわけで死美人萌えの変態男の話なのだが、結末はいささかコミカルだ。１９６４年の作品としては強烈な内容だったのだろうが、優先的に邦訳すべきものではない。だが、ライバーがおっぱいについて熱く語るのを読んでみたい方にはお薦めだ。The Black Gondolier に収録されている。

跳躍者の時空 (奇想コレクション)

The Black Gondolier