『屍食教典儀』の著者であるダレット伯爵は実は高潔な人物だったという説が『「クトゥルフ神話」がよくわかる本』で紹介されている。ダレット伯爵は邪悪な人物ではなかったとラヴクラフトが述べたことがその典拠とされているのだが、これは明らかに『図解クトゥルフ神話』の77ページを参考にしたものだろう。しかし、そこでラヴクラフトが話題にしているのは『屍食教典儀』を書いた架空のダレット伯爵ではなく、ダーレスの先祖である実在のダレット伯爵なのだ。どうも『「クトゥルフ神話」がよくわかる本』の執筆者は早合点してしまったようである。
そのうち誰かが『「クトゥルフ神話」がよくわかる本』の珍説をネット上に転載し、『屍食教典儀』の著者は人格者だったという設定が広まっていったりするのだろうか。それはそれでおもしろいと思う。
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