若い頃のオーガスト=ダーレスは缶詰工場で働きながら親友のマーク=スコラーと一緒にパルプ小説を書いていた。ダーレスは当時のことをWalden West で回想している。

Walden West (North Coast Books)
- 作者: August William Derleth
- 出版社/メーカー: Univ of Wisconsin Pr
- 発売日: 1992/09/15
- メディア: ペーパーバック
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工場の経営者であるスコラーの父親は、豆を煮る塩水の成分配合をしょっちゅう変えていた。それはもっぱら塩を節約するためだったが、塩水の調合とその見張り番を担当していたダーレスは本来の味が好きだったので、彼の指示に従うことは滅多になかった。彼は指示を出した後で必ず味見をし、実は前と成分がまったく同じなのに満足げにしていたものだとダーレスは述べている。
やがてダーレスは缶詰工場のバイトを辞めて小説の執筆に専念し、スコラーはハーバード大学を卒業して学者になった。自分が塩水を調合していた部屋のことが一夏くらいは恋しかったものだとダーレスは語っている。