新・凡々ブログ

主にクトゥルー神話のことなど。

2012-05-01から1ヶ月間の記事一覧

「鬼神の石塚」余話

ロバート=E=ハワードに「鬼神の石塚」という短編がある。ブライアン=ボルーの率いるアイルランド軍が1014年にバイキングを撃破したクロンターフの戦い、その古戦場に封印されたオーディンが邪霊化して900年の眠りから目覚めるが、聖ブレンダンの…

暗黒の破壊神

ダニエル=ハームズのThe Cthulhu Mythos Encyclopedia には這い寄る混沌ナイアーラトテップの化身として「暗黒の破壊者」が載っている。『エンサイクロペディア・クトゥルフ』には載っていなかったから、新顔の化身ということになる。 暗黒の破壊者(Dark D…

声の高い人、低い人

ラヴクラフトの声を録音したものは残っていないが、彼の声はやや甲高かったという証言がある。一方、ダーレスは「類い稀なバスバリトンの美声」だったとピーター=ルーバーが述べている。*1ダーレスの詩を彼自身が朗読するのをオーガスト=ダーレス協会のサ…

一抹の悲劇

コリン=ウィルソンに"A Touch of Tragedy"というエッセイがある。ダーレスが他界した直後に発表されたもので、彼の住むソークシティをウィルソンが1967年に訪問したときのことが書いてある。ウィスコンシン州の小さな町でダーレスは人々から尊敬されな…

蛇神セト

セトといえばエジプト神話の神だが、クトゥルー神話においては旧支配者の化身ということになっている。セトとして顕現する旧支配者はハスターだったりナイアーラトテップだったりイグだったり、作家によって解釈が異なるが、このように錯綜した状況になった…